アメリカのカリスマドッグトレーナー、シーザー・ミランのしつけ術
この記事では、世界的に有名なアメリカのドッグトレーナー、シーザー・ミランさんを紹介させていただきます。カリスマドッグトレーナーとして数々の書籍やテレビ番組を世に発信しているシーザー・ミラン。
ワンちゃんを飼っている方ならば、1度くらいは名前を聞いたことがある方が多いと思います。またご存知ない方もこの記事をきっかけに興味を持っていただけると嬉しいです。
「シーザー・ミラン」って誰?
シーザー・ミランはメキシコ出身・アメリカ在住のドッグトレーナーです。下記はWikipediaのシーザー・ミランのページより引用です。
1969年、メキシコの農場に生まれる。使役犬として働く犬の群れと暮らしているうちに自然と犬の扱いに馴れ、”the dog boy”を意味する”El Perrero”と呼ばれた。13歳の時に柔道大会に行く途上で、ある大きな胸像の前に立ち、いつの日か「世界一のドッグトレーナーになる」と実母の前で宣言した。21歳の時に、英語が不得手なまま米国に密入国。初めは犬の美容室で働き、多くの攻撃的な犬を扱う。後に犬の訓練所(the Pacific Point Canine Academy)を創設。続いて南カリフォルニアに、大型犬を専門的に扱う「ドッグサイコロジーセンター」と呼ばれる2エーカー (8,100 m2)の施設を作った。
す、すごい!21歳のときに英語が不得意なままアメリカに密入国だなんて、いかに強い精神力の持ち主であるかが伝わってくるエピソードですね。なかなか平坦ではない人生を歩んで来た方のようです。もちろん、今では英語が大変流暢で出演しているテレビ番組も、英語で解説していらっしゃいます。
そんな彼の精神力は躾の方法にも。シーザーは「人間がエナジーで犬を制しパック(群れ)のリーダーになることで、犬は本来の従属性を発揮し、自然と問題行動が抑制される」と度々説いています。
つまり、人間と犬を1つの集団としてみなし、人間がその頂点に立つことが大切であるようです。確かにシーザーの表情や立ち方などは威厳に満ちたオーラを放っています。そのことがワンちゃんにリーダーとして認めさせる上で重要で、大切なのは飼い主の態度にあるそうです。
合言葉は「シュ!」その驚きの躾術って?
シーザーの躾の方法でおそらく最も特徴的なのは、人差し指を立てて犬に向かって発する短い言葉「シュ!」ではないでしょうか。この短いジャスチャーでどんな凶暴なワンちゃんも大人しくなってしまう魔法の合図です。つい自分のワンちゃんに向かって真似してしまった方も多いはずです。
ナショナルジオグラフィック社『シーザー・ミランの愛犬レスキュー』
シーザーの代表作の1つで、噛みグセや吠えグセなど愛犬の問題行動に悩む飼い主にシーザーが躾の方法を教えるテレビ番組がこちらの『シーザー・ミランの愛犬レスキュー』。
アメリカの番組なので結構大型で迫力あるワンちゃんも登場します。私ならすぐに踵を返して逃げたくなるような凶暴な大型犬もシーザーにかかればあっという間にお利口なワンちゃんに。
しかも、ただ教えて終わりではなく、そのあとも飼い主と犬の様子をトラッキングするのも特徴です。彼の右腕のピットブル「ジュニア」もアシスタントとして躾に大活躍します。
その姿が健気でとってもカワイイ!また彼が郊外に持っている「ドッグサイコロジーセンター」という犬専門の設備の広大さはまさにアメリカン!といった感じです。
日本では考えられないテレビ番組『リーダー・オブ・ザ・パック』
シーザーが出演しているテレビ番組をもう1つご紹介します。その名も『リーダー・オブ・ザ・パック』です。直訳すると『群れのリーダー』ですね。ナショナルジオグラフィック社からDVDが発売されており、また公式サイトの情報によると日本でも放送が予定されているそうです。(2016年2月現在)
このテレビ番組の驚きのポイントは、なんと犬が飼い主になる人間を選んじゃう点です。シェルターで暮らしていて、なかなか引き取り手が現れないワンちゃんをまずシーザーが「リハビリテーション」します。
そして、全世界から集まった里親候補3組が番組に登場し、シーザー自らがオーディションを行います。犬との相性や接し方、犬の知識、住環境などを細か≠ュチェックされ、最終的に1組の里親が決定するんです。
すでにワンちゃんを飼っていて犬について詳しかったり、大きなお家に広大なお庭をお持ちだったり、素人目には何の問題もない候補者ばかりなのですが、そこはシーザー!かなり厳密にオーディションします。どの候補者が最終的に飼い主として選ばれるか当てながら視聴するのもこの番組の面白さの1つです。
シーザーの決まり文句は「僕は犬をリハビリテーションし、飼い主をトレーニングするんだ。」です。犬(厳密にはシーザー)が里親を選ぶ発想、まさに彼のワンちゃんへの愛情が伝わって来る番組だと言えるでしょう。
無事に里親も決まり、正式に家族の一員としての生活が始まったワンちゃんたち。シェルターにいた時とは比べものにならない穏やかで幸せそうな表情。番組の最後にはそんなシーンも見ることができ、ホッコリすると同時にウルッときてしまうこともしばしば。
本記事のまとめ
以上がカリスマドッグトレーナー、シーザー・ミランのご紹介でした。もちろん犬の躾に関しては色々な学術的見解があり、彼のメソッドはその中の1つに過ぎませんが、凶暴な大型犬を次々と服従させていく姿は圧巻でもあります。犬の躾に興味のある方は一度ご覧になってみてはいかがでしょう。