犬が家出して捕まえたのに、また逃げ出した!【うちの柴犬】
私たち家族が愛犬のマーキが出会ったのは11年前になります。マーキと出会う前、私は当時10歳の甥っ子を亡くしました。父は孫であるその男の子を、当然のことながら溺愛していました。
そのせいか亡くなってから、父はふさぎこむようになり、出かけることも億劫になっていったのです。そして、半年を過ぎたあたりから、「犬が飼いたい。」と言い出しました。ただ、母親はその父の意見に猛反対。
母は動物嫌いで、犬を室内で飼っている、兄夫婦のことが信じられない!とまで言っていたからです。甥っ子の一年忌の法要が終わり、父はふらっとどこかへ行ってしまいました。そして、帰ってきた父はペットショップのダンボールを抱えていたのです。中を見ると犬が入っていました。不安気に見つめるその犬は、尻尾をくるりと巻いた柴犬のメス、それがマーキです。
あんなに動物を毛嫌いしていた母親もワンちゃんのとりこに
母は「買ってきたのならしょうがないじゃん。そのかわりに絶対に自分で面倒を見てよ!」と言って、マーキは我が家の一員となりました。私たちは、犬を飼ったことがありませんでした。しかも父が衝動的に買ってきたので、何も知識のないまま、家に迎え入れました。
ただ、驚いたのは動物嫌いの母の態度です。あれだけ犬のことを毛嫌いをしていたのに、マーキを飼い始めた途端、そのかわいさのとりこになったのです。
マーキは柴犬らしく、私たち家族にはなつくものの、他の人には愛嬌をふらない犬でした。特に、お客さんがくると、玄関へ走って行き、吠えたてるのには困りもの。ただ、自分達だけになついてくれる態度は、私達家族にとっては余計にかわいかったです。
愛犬のマーキが突然の家出で我が家は大騒動
マーキが2歳を過ぎたころ、わが家を騒がすことをマーキはやってくれました。寒い2月のことです。例のごとく家にお客さんが来て、わずかな隙間を開けて帰っていきました。
マーキは、その隙間から家を抜けだしたのです。そう、マーキは家出をしました。いつもなら呼んだら帰ってくるのですが、気づいた時には家の中にマーキがいない状態です。
家の中では首輪をつけていなかったため、捨て犬と間違われたらどうしようという思いで、保健所や市役所、警察や消防署へ電話をかけ、保護されていないか尋ねました。また、、もしかしたらケガをしているかもしれないと動物病院へ電話をしました。
そして、私たちもマーキ探しに出かけました。3日目のこと、市役所から「柴犬を捕まえた」と電話がきたのです。さっそく市役所に迎えに行くと「すみません、逃げられました!」との職員の言葉…。知らない人に警戒心が強いところが裏目にでてしまったのです。もうマーキと会えないかもしれないと、私たちは諦めの気持ちが強くなっていました。
ですが、マーキの家出から4日目の夜、父が「マーキ!」と大声で叫びました。私がその声の所に行くと、父とマーキがいるではありませんか!なんとはひとりで帰ってきたのです。4日間の放浪を物語るように、薄汚く痩せていました。
マーキが帰ってきたと言って、父は私から禁止されているチーズを食べさせて「良かった。ひとりで帰ってこれたんだね」と言ってなでていました。チーズを食べている喜んでいるマーキを見ていたら「チーズ禁止令」を口には出せませんでした。チーズは犬の体には良いものではありませんが、今日ばかりは仕方ありません。
それからというものマーキは全然家出をしなくなりました。よほど外でつらい思いをしたのでしょう。今は11歳のおばあちゃんわんこになっても、わが家はマーキを中心に生活をしています。
最近は白髪が生え、獣医さんのお世話になることも多くなりましたが、かわいさは出会ったその日のままです。これからも大事に育ててていきます。マーキにも楽しい犬生を送ってほしいと願っています。