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交通事故で亡くした父を今でも玄関先で待ち続ける愛犬

アメリカンコッカースパニエル

うちには純血種のアメリカンコッカースパニエルの男の子「ガっちゃん」がいます。

もう10歳超え、耳が聞こえづらくなり、目もほとんど見えてない、そろそろ老後のことも考えなければいけないお年頃。我が家にやってきたときは、生後4か月近くてちょっと大きく育ち始めたあたりだったので、時が経つのは早いですね。

ブリーダーさんから訳ありで譲って頂いた、両親・祖父母共にドックショー入賞経験のある血筋の正しい、いわば「プリンス(王子様)」なのです。

しかし、そんなプリンスやってきたのは我が家のような普通の家庭。やはり、人間と同じで生まれより育ちの環境の影響が大きいのか、「プリンス」には程遠い庶民犬に育ってしまいました…。

ジジ(私の父)のことが大好きなガッチャン

そんなガっちゃんが大好きなのは私の母と父。両親にはすでに孫がいたので、呼び名は「ジジ」と「ババ」としてガっちゃんは憶えた様子。

「ジジどこ行った?」と聞くとちゃんと探しに行ってくれるのに。「お父さんどこ行った?」と言うと理解をしてくれない子になりました。
そして、ガっちゃんが一番大好きなのはジジ。

散歩に行くのもジジの車に乗り込んで移動し、近所の川岸で降りて一緒に散歩するのが日課でした。そんなジジが2年前に事故で突然亡くなりました。

朝いつものように出かけたジジがいきなり帰らぬ人となり、我が家は大慌て。でも。ガっちゃんだけは状況が分からず「ジジ遅いなー、早く帰ってこないかなー」程度にしか思ってなかったよう…。

ジジはそのまま葬儀場へ運ばれたので、あの朝出て行ったきり我が家には戻ってきませんでした。最初の数日間は「ジジ旅行に出かけたのかな?」というくらいのガっちゃんの態度。

でもいつまで経っても帰ってきません。毎日玄関先から動かずジジの帰りを待つガっちゃん。

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ジジの車を見ただけで大喜びをしたがっちゃん

日がな一日玄関先に鼻先を向けて待っています。そしてあの朝ジジが乗って行った車を引き取りに行き、主のいない車だけが戻ってきた時、エンジン音を聞きつけたガっちゃんの、はしゃぎっぷりはすごかったです。

「ジジだ!ジジだ!」と言わんがばかりに甘えた鳴き声でくぅんくぅん鳴いていました。コッカー特有の短い尻尾を振るだけでは足りず、お尻までクネクネ。

嬉しさが大爆発したような歓迎ぶりで、玄関を開けたら猛ダッシュで車まで走り出していきました。しかしそこには主のジジは無く、それでもガっちゃんはまるでジジに会えたかのよういに喜んでいたのです。

あまりに嬉しそうなので、車に乗せていつもジジと行っていた散歩コースの川岸まで行ってやりました。

そしてかえってきた時のガっちゃんの落ち着いた表情。きっとすごくジジに会いたかったのでしょう。ごめんね、ガッチャン。

残念ながら本物のジジには会えなかったけれど、それでもほんの少し気が済んだのなら良かったなと。そしてその後も毎日ガっちゃんは玄関先に鼻先を向けて帰らないジジをいつまでも待っています。

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