友人が亡くなって悲しんでいる私を慰めてくれた愛犬
うちにタンタンが来たのは本当に突然でした。タンタンというのは我が家の愛犬、オスで今年で14歳になるミックス犬種です。
彼は脚の爪が6本ある奇形の犬で、心ない前の飼い主に捨てられているところを、知り合いに保護され我が家にやってきました。
最初はどうしようもないくらいのやんちゃ坊主。靴という靴は全て噛みちぎり、夜は泣き叫びたまらず玄関に入れると、おしっこをしてしまったりと…家族になってくれるまで長い時間がかかりました。
当時学生だった私はmちぎられた靴で学校に行き笑われて、帰宅するとすごい勢いで散歩をせがまれ、こちらが引きづられながら散歩に行く始末です。
「それならもっと早くしつければ良かったのに」と思われるかもしれませんが、しつけをしようとすると、時折とてつもなく寂しそうに遠くを見つめてくるので、それを見ると厳しくすることができませんでした。ダメな飼い主ですよね^^;
タンタンの境遇を考えるとあまり厳しくしつけることはできなかった
タンタンは色んな辛い思いをして、望んだ訳では決してなく我が家に来たのです。人間不信はもちろんでしょう。
私達はゆっくりタンタンとの生活を進めていきました。私がタンタンに教えこんだのは「必ず見える位置にいること」、「人間に話しかけるように必ず挨拶をすること」の2つだけです。
あと、しつけではありませんが、気をつけたのは、出かけるときに必ず愛犬にも伝えから出かけることです。そして出かけるときには「必ず戻ってくるからね」といっぱい抱きしめてから出掛けました。
そんなことを続けている内に、私たちにとってタンタンは大切な家族にもうなっていたのです。しかも、タンタンは私達に沢山笑いをくれました。
こっそりとゲージから出てストーブの前に座り込み、誰かがその部屋に戻ってくる足音が聞こえると、スーっとバレないように戻ったりします。
また、おせち料理を家族で作っていて出来上がったものを隣の部屋に並べていたら、バレないように裏の部屋から上がり込みガツガツ食べていたり、ずる賢いけど憎めない犬です。
友人がなくなった時にタンタンが慰めてくれた
そんなタンタンに一番救われたなぁと思ったのは、友人が亡くなった時でした。突然の訃報に信じられず、実感も出来ずに私は頭が真っ白です。
告別式の後、フラフラで部屋の中でぼんやりとしていました。何をしていても上の空だった私に何かを感じとったのか、タンタンはそぬの日はいつもと違い、私が座るたび側に来てくっついて座っていたのです。
あれ?っと思いわざと場所を変えてもずっとついてきます。タンタンなりに私を励ましてくれていたんでしょう。
私は沢山泣きました。思いっきり泣いてる時もずっと側に座って私を舐めていました。ありがとうタンタン。言葉がなくっても全部わかっているんだねと本当に感じました。
タンタンはもう14歳とかなりの高齢です。きっとそう長くはもう一緒には居られないと思います。それでもこれからも、何も言わなくても最後まで寄り添ってあげたいです。