父のことが大好きな愛犬@父が入院してからは彼がいた場所でしか寝なくなった
柴犬のケンタは私が中学生の時にやってきました。今ではもう13歳の老犬ですが、まだまだ散歩では大好きなボール遊びで目一杯体を動かし、得意気にボールをくわえてきます。
ただ、日中はほとんど日向で眠っていて、目も両方が白くなってきてあまり見えておらず、嗅覚や聴覚も衰えてきました。
もともと父親が飼いたいといっていた柴犬で、ペットショップで一目惚れしてでお持ち帰りしてきてからは、食事も散歩も昼寝も、父の横には常にケンタがいたのです。
今は亡き祖母が認知症で徘徊したり、夜中に何度も起こされたりして、家族が大変だった時も、彼はしんどい時にすっと側に来て、私たちを癒やしてくれました。
性格はかしこく、人懐っこくて、甘えん坊。犬が苦手という近所の子どもも、ケンタなら触れると言ってもらえるくらい、噛みも吠えもしないおとなしい犬です。
そんなケンタは、大の食いしん坊。本当はいけないことですが、父が食べる食後のアイスを舐めさせてもらうのが大好きで、父が冷蔵庫に行くと自分もさっと付いて行くくらいです。
【参考】犬に食べさせてはいけない食べ物まとめ【あげると危険!】
父が2ヶ月入院したときには愛犬も不安そうだった
そんな仲の良い父とケンタですが、昨年10月に父が急に倒れ2ヶ月ほど入院してしまいました。一時は多臓器不全とまで言われ、ICUに入り、親戚に連絡してくださいと言われくらいの重症です。
急に大好きな父がいなくなってしまい、最初は不安からか家族が部屋を移動するたびに付いて回ったケンタ。トイレやお風呂にも一緒にはいろうとする程で、父が彼にとってどれだけ大きな存在であるかがわかりました。
一時は危険と言われた父ですが、奇跡的に回復し一般病棟に移り容体は安定してきました。しかし、退院はまだまだという状態です。
父がいなくなっても父といつもいた場所へ行くケンタ
その間、ケンタは朝自分の小屋から出ると真っ先に向かうのは、父がいつも使用していたパソコンデスクの下です。以前はそこで父がパソコンをしていると、足元で眠るのが彼の日課でした。父が入院していない間も彼はその日課を、毎日欠かさずしていたのです。
それともう一つ変化があったのが、父がいつも座るソファーの定位置に彼が座り眠るようになったことです。
いつもは日が当たると日向に移動し、暑くなると日陰に移動し、というサイクルだったのですが、父が入院している間は、パソコンデスクの足元とソファーでしか眠りませんでした。まるで、父の席を守っていて、帰りを待ちわびているように思えます。
今まで大好きだったアイスにも見向きもせず、ひたすら父の影を追うような生活。母が病院から帰ってきたら、母の元へ行き、母が様子を伝えると安心したかのようにまたソファーに戻る、という繰り返しでした。
父が退院した後は一緒にリハビリをする愛犬
入院してから二ヶ月足らずで父が退院することになったのですが、以前とは違いアイスのような嗜好品は基本ダメ。食生活も制限があり、何よりも退院した時は歩くのもままならず、杖をついて歩くのがやっとと言うほどでした。
しかし、ケンタはそんな父の側を同じように歩き、父が止まればケンタも止まり父の顔色をうかがい、父の歩く速度が遅くなるとケンタも遅くなり、一緒にリハビリをしてくれているかのように思えました。
毎日毎日ケンタは父に寄り添い、回復するのを助けてくれてたのです。そんな父も、今では小走りで散歩に行けるようになり、ケンタも以前のようにボール遊びをするようになっています。
時折、アイスをもらい、父の足元で眠り、日向と日陰を移動して眠る、元の生活に戻りました。ケンタがいて、母も父がいない生活の寂しさを紛らわすことができましたし、今回のことで両親がいつも元気でいてくれることのありがたさを身にしみて感じています。
そして、ケンタがとても優しく家族のことを何よりも心配してくれていたんだと、改めて知ることが出来ました。ケンタが我が家に来てくれて、家族になることが出来て本当に良かったです。
ケンタも今は13歳で、一緒に入られる時間も短くなっていっています。毎日を平和に過ごし、普通の生活を送り、たまに桜が咲いたら桜を見に行ったり、秋になったら紅葉を見に行ったりと少しでもケンタとの時間を共有していきたいと思います。
そしてケンタも我が家に来て幸せだと思っていてくれていたら、それが何よりも私たちは本当に嬉しいです。