愛犬がかゆがる場合は要注意!犬の皮膚病の種類と治療方法
愛犬が、最近身体を痒そうにしている?と気になったことはありせんか?実は犬の皮膚病はよくある症状といわれています。皮膚は体中を覆っており身体全体の中で占める面積も広いです。
また、「臓器の鏡」ともいわれ、内蔵の不調を映し出していることもあるのです。そのため、動物医療において皮膚病は非常に重要視されています。今回は、そんな犬の皮膚病についてまとめました。
愛犬がこんなしぐさ・症状をしていたら皮膚病かも
動物病院へ診察にくる皮膚病の犬のおよそ50%以上が痒みを持っているという統計があるそうです。まずは、愛犬のしぐさから「痒み」に気づいてあげましょう。
痒がるしぐさとして身体を「掻く」「舐める」「咬む」「吸う」などがよく見受けられます。これらのしぐさを頻繁に見せるようになったら、痒みを感じていると疑ってください。
そのほか、皮膚や毛の状態で、目で見てわかることもあります。例えば以下のような場合です。
- フケが増えた
- 皮膚が赤くなっている
- 毛が集中的に抜けてしまっている
- 毛艶が悪くなった
痒みがひどくなると、犬は精神的にも辛くなります。痒みを伴う皮膚病は、早めに気づき病院へ連れて行くことが大切です。
かゆみの原因は主に「感染症」か「アレルギー」
痒みを伴う皮膚病の原因として「感染症」と「アレルギー」の2大原因が挙げられます。
痒みのある場合、獣医師はまず最初に「寄生虫感染」を疑い、続いて「細菌感染」「カビ感染」そして「アレルギー」の順に診ていくことが一般的だそうです。
皮膚病の検査方法と費用
症状からは皮膚病の原因を判断することが難しいため、病院へ行くとその原因を調べるため、まずは検査を行い診断します。
寄生虫や細菌の感染による場合は、大抵は皮膚を削り取って顕微鏡で見る検査で発見することができます。
しかしカビ感染の場合は顕微鏡では発見することが難しいため、被毛や鱗屑を用いる培養検査をすることが多いようです。その場合、結果が出るまでに1週間から10日かかるそうです。・
検査にかかる費用は、大体診察料1,000円に加え、顕微鏡検査1,500円程度なので合計2,500円くらい。カビ感染のための培養検査が必要な場合はさらにプラス1,500円程度(合計4,000円くらい)と考えておけば良いと思います。
アレルギーの検査は、血液検査を行いますが、20,000から30,000円と高額になるため、大概は飼い主さんからの問診で、アレルギー反応を起こす原因に思い当たることがないか確認を受けると思います。
獣医師の判断によりますが、原因に思い当たることがない場合や、飼い主さんが検査の希望をする場合は、血液検査へと進むことが多いと思います。
料金や検査の判断はクリニックによっても異なりますので、気になるときには一度問い合わせてみると良いでしょう。
皮膚感染症の3つの原因
感染症による皮膚病は、以下3つが原因となることが多いです
1.寄生虫感染
寄生虫とは、動物の身体に寄生し、その動物から栄養を吸収して生きる生物のことです。皮膚の表面に住みつくものとしては、ノミやマダニなどが有名です。犬の被毛、皮膚、フケなどを食べて生きます。
2.細菌感染
細菌感染で最も多いのは「膿皮症」です。人間同様、犬も皮膚に「常在菌」を持っており細菌から身を守ってくれています。
しかし、体調不良などで皮膚環境のバランスが崩れ、病原細菌である「黄色ブドウ菌」が過剰に繁殖すると、この「膿皮症」になります。
傷口から黄色ブドウ菌が感染することもありますし、皮膚が不衛生な状態のときにも発症しやすいです。湿度が高い環境も、黄色ブドウ菌が繁殖しやすいため、梅雨の季節などは発症率が上がるそうです。
3.カビ感染
カビ感染は「真菌症」ともいいます。これは人間では水虫が有名でしょうか。カビに感染することで発症します。
犬や人間だけではなく、ウサギやモルモットなどの他の動物にも見られる症状です。そのため犬から人間へ感染る可能性がある人畜共通感染症として知られています。
アレルギーが原因で起こる3つの皮膚病
アレルギーが原因で発症する主な皮膚病を3つもご紹介しておきます。
1.ノミアレルギー
アレルギーによる皮膚病は「ノミ」が原因になることが多いそうです。これは、ノミに咬まれ、ノミの唾液に対してアレルギー反応を起こすことで発症します。
2.アトピー性皮膚炎
次に多いのは「アトピー性皮膚炎」です。これは空気中から吸気でアレルギーの原因となるアレルゲンを体内に吸い込み、アレルギー反応を起こすものです。主なアレルゲンとして、ハウスダスト、カビ、ダニ、花粉などが挙げられます。
アトピーの症状として特徴的なのは、外耳炎を発症することが多いことです。アトピーにかかると50・0%もの犬に外耳炎の症状がみられるそうです。
3.食品アレルギー
アレルギー性の皮膚病は食事とも関係が深いといわれています。脂っこい食事や、タンパク質の不足、また過剰なときにもアレルギ反応がみられることがあります。
アレルギーになりやすい食品として、牛乳、卵、肉類などの動物性タンパク質、大豆などの植物性タンパク質、また、小麦、トウモロコシなども挙げられます。
皮膚病の症状がみられるときには、食事に変化がなかったか考えてみるようにしましょう。
皮膚病の治療方法
皮膚病にかかってしまったら、病院での治療が必要になります。大抵は、飲み薬、サプリメント、塗り薬などの投薬治療で改善するでしょう。
目が痒ければ点眼薬が処方されますし、外耳炎があれば点耳薬など、薬の種類、量は症状によって異なりますので、かかる費用もさまざまです。
また、アレルギー性の場合は、そのアレルギーの元となるものを排除する必要があります。
まとめ
犬の皮膚病の症状や原因、治療にかかる費用などをまとめてみました。いずれにしても、早期発見し、すぐに病院に連れていくことが大切です。
もし犬が痒そうなしぐさをみせたときには、原因や治療方法を検討する際の参考になれば幸いです。