犬も花粉症になるって本当?症状・原因・対策を解説します!
梅の開花や早咲き桜のお花見の便りが聞こえてくる時期になりました。春の気配が嬉しい季節ですが、気になるのが花粉症です。今や4人に1人は症状がでるといわれている国民病の花粉症は、せっかくのお出かけ気分を台無しにするだけでなく、一度症状が出始めると生活に支障がでてしまうつらい症状が数カ月続きます。
さらに近年、人だけでなく愛犬にも花粉症らしき症状がでていると、「犬の花粉症」を気にする飼い主さんが多くなりました。そもそも犬には花粉症があるのでしょうか。
本記事では犬の花粉症について、症状と対策をまとめました。
人間だけじゃなくて犬も花粉症になります
花粉症とは、春や秋に大量に飛散する花粉が原因になって起こる、アレルギー性の症状です。花粉という異物が目や鼻から体内に入ってきたことに体が反応し、抗体という「異物に抵抗する物質」をつくります。
抗体ができたあとに再び花粉が体の中に入ってくると、目や鼻の中の粘膜からヒスタミンなどの化学物質が分泌されて、花粉をなんとか体の外に出そうと奮闘します。その結果、体が反応してくしゃみが出たり、鼻水や涙で洗い流そうとしたり、鼻づまりを起こして中に入れないように防ごうとする症状が出るのです。
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犬の花粉症の原因
犬や動物に花粉症の症状がでることがわかったのは最近のことで、犬や猫、ニホンザルなどに症状がでることがわかってきました。とくにニホンザルは原因物質もスギ花粉が多いといわれ、人と同じように鼻水を垂らし、しきりに目を掻く姿をニュースで見たことがあるかもしれません。
犬の場合は1995年に初めてスギ花粉症の症状が確認され、猫の発症が確認されたのはつい最近です。犬や猫の場合は原因物質がいろいろあり、スギやヒノキだけでなく、地面に近いところに生えているブタクサ花粉症やイネ科花粉症などが多くみられるようです。
犬が花粉症になったときの症状
では、犬が花粉症になると、どんな症状がでるのでしょうか?
犬の花粉症の症状は人と違って、くしゃみや鼻水といった呼吸器系に症状が出ることは少なく、多くはアトピー性皮膚炎の症状が見られます。中には外に出た瞬間にくしゃみが出始める犬もいるようですが、皮膚症状と合わせて呼吸器症状が表れます。散歩に出た時、くしゃみを頻繁に繰り返すことがある場合は、痒みの症状なども確認しながら花粉症を疑ってみましょう。
アレルギーの痒みはとても強く、体を掻きむしるほどの症状がでます。体を床や壁にこすりつけ、何度も掻いて体を傷つけてしまうこともあります。放置しておくと傷が化膿して症状が悪化することもありますから、痒みを訴えている時は早めに病院を受診して、治療してあげることをおすすめします。また、痒みは被毛の薄い部分に出やすく、症状も見つけやすいようです。
■花粉症で痒みの出やすい場所と症状
- 目や口の周りの痒みや脱毛
- 耳の中の赤みや、耳に汚れが出て悪臭がしたり、外耳炎になる
- わきの下やお腹などに赤みが出る
- 掻きむしったことによる脱毛
- 足先を舐め続ける
- シッポなどを噛み続ける
花粉症と間違えやすいアレルギーの症状
よく体を掻いているからといって、すべてが花粉症の症状によるものとは限りません。春になるとノミやダニの活動も活発になるので、ダニが付着したことによる痒みの可能性もあります。
冬毛が生えかわる換毛期なので、被毛の入れ替えによるものかもしれません。日頃からブラッシングなどでお肌をこまめにチェックして、皮膚や被毛に変わりはないか、よく観察しておく必要があります。冬場はお散歩の時に洋服を着る機会が増えます。窮屈な洋服で被毛が痛んだり、肌に負担をかけていないか確認し、犬の身体にあった服を選ぶようにします。
また、食べ慣れないおやつを食べたことや、食事の変化によるアレルギーなど、花粉症を疑う前に、生活の変化も確認しておきましょう。花粉症の犬は果物や野菜を食べたことでアレルギーが悪化することが確認されています。必要な食事以外の食べ物を与える時は注意が必要です。
犬の花粉対策を徹底しよう
花粉症の飼い主さんにとって、春の散歩はつらいことです。外出時にはマスクやサングラスなど花粉対策の防備をしてお出かけすると思いますが、実は、愛犬が花粉症を悪化させる原因になっていることがあります。
お散歩時に愛犬の被毛に花粉がついてしまうと、家の中に花粉を持ち込んでしまうからです。これではいくら飼い主さんが防備しても意味がありません。花粉を持ち帰らないための工夫をご紹介します。
■室内に花粉を持ち込まない対策方法
- 愛犬に洋服を着せて、帰宅時は外で服を脱がせてから家にいれる
- 愛犬の洋服はツルツルしたナイロン生地などを選び、綿などは選ばない
- 帰宅時は外で愛犬のブラッシングしたあと、湿らせたタオルで全身の被毛をよく拭いてから家の中に入れる
- 愛犬の花粉症対策としても、顔をよく拭きます。特に目の周り、口の周り、耳の中を拭きとる
- 散歩時間は花粉の飛散が多い時間を避ける
- 室内は空気清浄機などを利用して花粉を軽減する対処をする
まとめ
GW頃まで花粉の飛散は続きます。飼い主は薬を飲んだり、辛い症状を緩和する術がありますが、愛犬は症状を訴えることも痒みを抑えることも自分ではできません。
様子がおかしいと思ったら早めに動物病院を受診して、飼い主同様に辛さを軽減してあげてください。春はお花見やドライブなど、お出かけも楽しい季節です。様々な工夫で少しでもラクに過ごせるように気を遣い、万全な対策で花粉シーズンを乗り切りましょう。