うんちは犬の健康のバローメーター@飼い主がチェックしてあげよう
人の健康チェックをする際、ポイントとなるのはどんなことですか?いろいろなチェック項目があると思いますが、排便・排尿が基本的なチェック対象ではないでしょうか?ワンコも同じ。
今回は特に、わんちゃんの「うんち」についてチェック方法やポイントをお伝えします。
うんちの構造
うんちって何からできているか知っていますか?食べ物のカスだけではないんです。うんちの中身は、1/3が食物残渣(カス)、1/3が胆汁や腸内細胞、ミネラル、そして残りの1/3は腸内細菌です。
これらがバランスよく形成されることで「健康的なウンチ」ができあがるのです。うんちの色は、胆汁の色が反映されています。胆汁は、脂肪を吸収するのに必要な成分ですが、あまり脂分を摂りすぎると、胆汁が生成されすぎてしまいます。
この場合は、ウンチは黒い色になります。胆汁が作られすぎるのもよくありませんので、食生活の見直しをしましょう。
うんちのでき方
では、うんちはどのようにしてできあがるのでしょうか?これを知ることは実はとても大切なことです。この流れを知ることで、わんちゃんの排泄物を見た時に、体のどの部分が悪いのかわかるようになります。
まず、口から入った食べ物は、胃で溶かされて小腸に流れ込みます。次に大腸に移動し、大腸で水分が吸収されてうんちとなります。これがうんちが出るまでの流れです。
理想的なウンチとは?
色は、黄土色か褐色で、ほどよい固さのものが理想です。掴んでも、崩れてしまうようなら柔らかすぎです。反対に、明らかにカチカチであるのも問題です。
しかし、色や形についてはこれだけでなく、どのように変化するかもチェックポイントとなります。
人間でも、例えば焼肉など脂っこいものを食べた翌日はウンチの色が濃く、なんとなくドロっとしているような感じのものが排泄されますが、わんちゃんも食べ物が変わればうんちも変わります。
これが、毎日同じものを食べているのに日によってうんちの形や色が変わると、腸になんらかの不具合が生じていると判断します。
ですので、色と形の他に日々の変化を見逃さないようにしてください。また、臭いも大切なチェック要素となります。
回数に問題はあるの?
下痢や軟便でなければ、別に回数が多いからと言って心配する必要はありません。便秘になる方が問題です。便秘は、体に毒素が溜まっている状態ですので、楽観的に考えていると危険です。
繊維質の多い食材を与えたり、運動をさせるなどの工夫をして快便を心がけましょう。なお、うんちが出ないのに、出そうとしたがる・しぶり便などは腸の不調が考えられます。
不調なうんち
下痢の場合は、小腸に不具合が起こっていることが多いです。水分が多すぎて、きちんと消化・吸収されてないことが考えられます。
このような場合は、腸内細菌を整える食べ物や、サプリメントを与えると良いでしょう。逆に水分が足りない場合は、出血することがあります。
よく見かける、「粘膜便」は大腸の機能が正常でないことが考えられます。便をゼリー状の膜が覆っている状態です。これは、大腸できちんと水分やミネラルが吸収されずにそのまま排泄されたことにより起こる現象です。
なお、大腸で水分が足りていない場合は便秘になります。この場合は、お腹を暖める、代謝を高める食材を与えて水分の循環を良くすると良いでしょう。
不調なうんちであっても、多少の出血や下痢・軟便であればさほど問題はありません。多量の出血が認められたり、血餅が出たりする場合はすぐに獣医師に相談して下さい。
ドッグフードから急に手作り食に変えた場合、手作りであっても野菜が多すぎる場合なども不調なウンチが出ることがあります。この場合は、一旦ドッグフードに戻して徐々に手作り食に変えて行く、野菜の配分を変えるなどの措置をします。
まとめ
うんちが健康のバロメーターであることは、皆さんわかっておられると思います。しかし、どのようにしてチェックすればいいのかはあまり知られていません。
その時その時のうんちの形状も大切ですが、毎日の変化を見逃さないことも病気の早期発見に繋がります。また、うんちは腸の運動機能により作られます。食べ物に気を付けるだけでなく、ほどよい運動も良いうんちを出すためには必要な要素です。
毎日、体にいいものを食べてしっかり運動し、快便生活を心がけて健康で長生きできる体作りを愛犬にプレゼントしましょう。