犬にとって快適な温度と湿度はどのくらい?湿度管理も大切です
わんちゃんを飼うにあたって、あなたが日頃から気を付けておられることは何ですか?
ご飯、運動、病気について、さまざまなことを日々注意なさって過ごされていることと思います。もちろんこれらは、愛犬を飼育する上でとても大切なケアポイントなのですが、わんちゃんが過ごす「生活環境」というのも非常に大切になってきます。
今回は、愛犬が快適に過ごせる温度と湿度についてお伝えしましょう。
不快指数について
わたしたち人間が、不快に思う温度や湿度ってどれくらいかご存知ですか?
人間が、不快な環境を示す数字として、「不快指数」というのがあります。この不快指数の計算式は、以下のようになります。
「不快指数=0.81×気温+0.01×湿度×(0.99×気温-14.3)+46.3」
この数値が80以上になるとほとんどの方が不快に思うと言われているんですね。
例えば、気温が32度だとして、湿度が60%の場合は不快指数が82.6となり、「暑くて汗が出る」感覚で、不快なわけです。
もちろん、これは人だけでなくわんちゃんにも通じるものがあります。人が快適でなく不愉快な気分で過ごしているのに、毛で覆われている犬はそれよりももっと不快に感じるはずですよね。
犬にとっての快適温度と湿度
では、わんちゃんにとって快適な温度と湿度はどれくらいなのでしょう?
わたしたち人間は、夏の場合はクーラーの設定温度をだいたい28度前後に保ちますが、わんちゃんはそれでは暑すぎます。設定温度としては22度前後がベストで、少し低めです。
しかし、実はもっと気を付けるべきは「湿度」なんです。湿度が上がると、体温もあがります。
犬の平均体温は38度前後ともともと高いのですが、これが41度以上になると死亡する可能性も出てきます。室内であるにもかかわらず熱中症で死亡する例が、ここ最近よく聞かれるのは、温度とともに湿度も上がっていたからなんですね。
犬にとっての快適な室温は、18度~22度くらいです。また快適な湿度は40%~60%ですので、常にこの温度・湿度を保てるように心がけてあげるようすることが大切です。
また、犬の生活範囲は犬の背の高さからもわかるように、床により近い位置で過ごしています。温度計、湿度計で計る場合はわんちゃんの高さに機械を持って行き、わんちゃんと同じ位置で計ると良いでしょう。
犬の不快なしぐさは?
わんちゃんは言葉を話すことができません。ですので、愛犬が快適に過ごせているかどうかは、わんちゃんたちのしぐさで判断します。普段よりもハァハァと息を荒げていたり、ゼーゼーと痰が絡んだような呼吸をしている場合は要注意です。
また、熱が体内にこもってしまうと食欲不振になったり、食べ物に興味を示さなくなることもあります。もしくは、普段不審な物音に敏感であったり、玄関のチャイムにけたたましく吠えたりするのに、興味を示さない場合も注意します。
元気が無いことに、特に心当たりが無く原因がわからない場合は、まずは温度と湿度が適切かどうか調べてみましょう。
不快な温度と湿度がもたらすこと
不快な温度と湿度は、何も「高い」時だけではありません。エアコンなどあまり低い温度に設定しても、もちろん体調を崩してしまいます。特に老犬や、病気を患っている犬は体温調整がうまくできず、日頃から体温が低い子が多いので、より一層適度な調整が必要になってきます。
日本には「四季」があり、情緒がありますが、過ごしやすい国であるとは言い難いです。日本の夏や冬は、不快度が高いと言われており、特に外国産の洋犬にとっては非常に過ごしにくい環境でもあります。
日本に住んでいる以上、温度と湿度の差が激しいため、快適な環境にずっと保ち続けるのは非常に困難なことですが、できるだけ環境を整えるよう努力しましょう。
同時に水分調整を行いましょう
普段からあまりお水を飲まない子は、夏や冬の過ごしにくい時期には特に気を付けて与えるようにします。水分が足りないと、血液の循環が悪くなり、熱がこもりやすくなったり代謝が悪くなったりしますので、注意が必要です。
夏の暑い時には飼い主さんも気を付けて水を無理やりにでも飲ませる方が多いのですが、冬になるとどうしても水分ケアを怠ってしまいがち。身体の中の水はけを良くすることが大切です。
まとめ
少し気分が悪くなったり元気がなくなるだけならまだ良いのですが、温度や湿度をきちんと調整しなければ、最悪の場合死を招くことになります。
特に暑い時などは、温度にばかり目が行ってしまいますが、湿度にも気を配らなければいけないことがわかりました。
つまり、温度や湿度などの住環境を整えることは、結果的に寿命を延ばすことになるということです。いつまでも元気で長生きしてもらえるように、日常のちょっとしたことに気を使うと良いですね。