犬の肥満の対策方法@海外では犬の肥満は虐待の罪になる
可愛い愛犬、欲しがるとついついなんでも食べさせたくなってしまいますよね。おやつを見せて、キラキラした目で見つめ返されるともうたまりません。しかし、健康的な問題が無い犬は、与えるといくらでも食べてしまいます。
運動量が変わらなければ当然脂肪となって蓄積し、すぐに肥満状態になります。肥満は人にとっても犬にとってもさまざまな病気の原因となる恐ろしい症状です。今回は、犬の肥満について、チェックの仕方、痩せさせる方法の提案などについてお話します。
犬の肥満は飼い主の虐待に値する!?
犬の先進国であるイギリスでは、犬の肥満である場合は飼い主が虐待しているとみなされることがあります。犬を太らせてしまい、歩けなくさせてしまった人が実際に動物虐待の罪に問われています。
食事管理や運動をさせない、つまりは世話をしないと判断されたのです。ここまでは確かに極端ですが、犬の肥満についてはあきらかに飼い主の責任であることは事実です。
犬は自分でウェイトコントロールができません。飼い主さんが愛犬の健康管理のためにしっかりと指導していくことが大切なのです。そのためには、どのようなことに注意すればいいのでしょうか?
肥満チェック
愛犬が肥満かどうかをチェックするいくつかのポイントがあります。自分でできますので、是非覚えてやってみてください。
背中を触ってみましょう
愛犬の背中をまず触ってみます。腰のあたりから尻尾の付け根にかけて、背骨を感じることができますか?
骨に触れることができないほど脂肪がついてしまっていれば肥満です。
肋骨を触ってみる
次に、わんちゃんの胸元あたり、肋骨部分を触ってみます。こちらも骨が確認できれば大丈夫ですが、ここにお肉が付きすぎてしまっている場合はかなり危険な状態です。
逆に、手で触れなくても見ただけで肋骨が確認できる場合は痩せすぎです。
くびれを見てみよう
愛犬が立っている状態で、真上から観察してみましょう。腰にほどよくくびれができているようでしたら、大丈夫ですが腰がずどんと筒状態になっていれば要注意。
肥満におすすめの3つの対策方法
では、愛犬をダイエットさせるには、どんなことを実践してみたら良いのでしょうか?基本的には人間がダイエットする方法と同じです。食事と運動量に気を付ける。これに尽きますね。
1.おやつをやめる
飼い主さんが、「この仔は肥満だな」とか獣医さんから「もう少し痩せさせた方が良い」とアドバイスをもらったら、まずは食べ物の見直しをしてみましょう。犬が肥満になる原因は、人と同じく摂取カロリーが消費カロリーを上回るからです。
そんなに食べさせてないと思われる場合でも、1日のご飯、おやつについて書き出してみましょう。自分でも思っている以上にあげているかもしれません。また、ご褒美の際にあげる「おやつ」が実は注意しなくてはならないポイントです。
例えばよくある「ジャーキー類」。乾燥していて薄いため、少ししかあげてないように錯覚しますが、乾燥させて水分を飛ばして作っているため、実際は与えた量の3倍は摂取していると考えてください。
そうしますと、例え5㎝程度のジャーキーをあげたとしても、カロリーとして見て見ると肉の塊を与えていることになってしまいます。
余談になりますが、「うちの仔おやつばっかり食べてご飯は全然食べない」とお悩みの飼い主さんがいらっしゃいます。しかし、上記のことを踏まえて考えて頂きますと、おやつばっかり食べているのではなく、おやつでお腹いっぱいになってしまっているんです。
痩せさせたい、ご飯を食べないとお悩みの場合はまず「おやつ」を与えるのをやめてみましょう。
2.手作り食を試してみる
手作り食に変えることは、大変ですが効果はテキメンです。ドッグフードは栄養バランスは取れているのですが、油の量が多いためカロリーはかなり高くなっています。
また、水分量も少ないのでお水をよく飲まない仔は、体内の水分の循環が悪くなり代謝が落ちるため太りやすくなります。いわゆるむくみ状態です。手作り食にする場合は、カロリーの低いささみ肉に、旬の野菜、きのこ類、代謝をあげるためにすりおろしたショウガを少しだけ加えてあげるのも良いでしょう。
アレルギーが心配な場合は、どの食品に反応するかきちんと調べてから手作り食に切り替えていきましょう。お肉は少なめにして、野菜をたっぷり与えます。
また、調理方法は細かく刻んで茹でるだけ。炒めるよりも茹でた方が水分が取れますし、味が染み出たスープごとあげると喜んで食べてくれますよ。
ドッグフードのままダイエットをお考えの場合は、まずはフードの量を減らします。同じ量を与えていたのでは当然痩せません。できればお湯をかけてふやかして与えましょう。
【参考】カナガンドッグフードの口コミ【愛犬に1週間与えた感想】
分量も増えますし、水分もしっかり摂取できます。日頃ドッグフードにトッピングをして与えている方は、まずはトッピングも止めてフードだけにして様子をみてください。
ご飯で水分を取れるようになれば、飲水の量は減りますが心配はいりません。適切な量を飲ませます。
3.運動させる
多少散歩を増やすくらいでは、実はあまり減量には効果がありません。しかし、散歩をさせることで血液の循環もよくなりますし、ストレスも解消されますので結果的にダイエットに繋がります。毎日少しずつでも構いませんので、できるだけお散歩に行きましょう。
また、雨天などで外出できない場合は家の中で遊んであげましょう。おもちゃを投げて持ってこさせる「持ってこい遊び」がお勧めです。その際、床が滑らないように対策をしておかないと足を痛めてしまいますので、滑り止めワックスやカーペットを敷くなどの工夫も忘れずに。
それでも痩せない時
適正カロリーを守り、水分もしっかり摂って運動もきちんとしているのに痩せない場合は、病気を疑ってみることも大切です。人と同じように、犬も高齢になれば代謝も悪くなり、その分消費するカロリーも減りますので、痩せにくくはなります。
しかし、特に問題が無いのに急に体重が増加した、あきらかにむくんでいる、おなかのたるみに波動がみられる場合は病気が原因の可能性が高いです。
また、まれに飼い主さんが妊娠に気付かないこともあります。未避妊の犬で、妊娠する可能性がある環境で過ごしている場合はその可能性が高いので、一度獣医さんに相談してみましょう。
特によく見られる症状として、急に太るうえに、脱毛や皮膚に黒い色素が付くなどのばあいは副腎皮質機能に問題がある場合がありますので、すぐに獣医師の診察を受けてください。
まとめ
犬の肥満自体は、病気であるとは言えませんが、さまざまな病気を引き起こす原因となってしまいますので、注意が必要です。
糖尿病や心臓病、循環器系の病気、股関節、膝関節を痛める原因にもなりますので、飼い主さんがしっかりと観察し、愛犬を長生きさせるために適正体格を守ってあげましょう。