犬の涙焼けの原因と改善のための4つの対策方法
小型犬、特に毛色の白い仔でのお悩みの多くに「涙焼け」という症状があります。
この涙焼けはどういうものなのか、命に別条ないのか、どうすれば治るのかなどを東洋医学的見解からお話しします。
涙焼けとは何?
「涙焼け」という言葉自体を聞いたことがあるかたもいらっしゃるでしょう。涙焼けとは、涙が過剰に排出されることにより、涙の成分で毛が茶褐色に染まってしまう状態を言います。
つまり、毛色の薄い仔や白い仔がこの症状はどうしても目立ってしまうということになります。酷い場合はマズル(口)周りまで茶色に染まってしまうこともあります。また、涙焼けは短鼻種と呼ばれる、鼻の短いタイプの犬種によくみられる症状です。それは鼻の構造上どうしても涙が詰まりやすく、涙焼けになりやすいのです。
なお、毛色の濃い仔や黒い仔は涙焼けにならないというわけではなく、なっても目立たないというだけで、よく見ると涙の成分が目の周りに固まってしまっている仔もいます。
涙焼けってどうしてなるの?原因を解説
上記で述べたように、涙焼けの主な原因は「涙の過剰な排出」です。つまり、問題が無い場合は過剰に排出されることがないわけですから、体内で何らかのトラブルが起こっていると考える事ができます。様々な原因がありますが、その一つに、油の取り過ぎということがあげられます。
食物中の脂肪分は、胆嚢(たんのう)という臓器で作られる胆汁(たんじゅう)という物質によって吸収され、全身に回りエネルギーとして使用されます。
しかし、脂肪分を取り過ぎると、胆汁が過剰に作られるため、それが余分な成分となって体外に排出されます。涙焼けは、このことが原因であるとも言われています。その他にも、油の取り過ぎは皮膚炎や外耳炎の原因になるとも言われておりますので、気を付けなくてはいけません。
涙焼けを改善するための4つの対策
涙焼けが起こったからといって、すぐ命にかかわるということは、もちろんありませんがそのままにしておくのも良くありません。
軽い症状の場合は、水で薄めたほう酸をガーゼに付けて優しく拭い取ることで改善される場合もありますが、焼けついてしまった場合は拭いても消えることはありませんので、根本的な対策が必要になります。
では、どのようなことをすればいいのでしょうか?以下にいくつかあげてみますので、参考にしてください。
1.食生活の見直し
一般的に、涙焼けはドッグフードを変えれば治るとか、手作り食にすれば治るというのを聞いたことはありませんか?それで絶対に治るとは言えませんが、一理あるのです。ドッグフードには油が多く使われており、余分な脂肪分を多く含んでいるフードもあります。
ですので、その場合は頑張って手作り食に変えてみてはいかがでしょうか?特に難しいことは必要ありません。基本的には野菜を切って茹でるだけです。脂肪分を減らさなければなりませんので、肉類を使う場合は鳥のささみなど、油分が少ない食材にしましょう。
2.適度な運動
代謝が悪いと涙焼けは治りません。ですので、適度な運動をさせることも大切です。日々の散歩はもちろんのこと、休日はドッグラン等で思い切り走らせるなど工夫しましょう。また、部屋の温度や湿度などを適度に保つことも忘れずに。
3.目の周りのマッサージ
涙の流れる腺が詰まってしまうと、うまく涙の排出ができなくなり余計に悪化します。目と鼻の間を優しくマッサージするのも効果的です。日々のコミュニケーションのひとつとして、マッサージをしてみてください。
4.目に異常が無いかを観察
食生活や、日常生活の見直しで改善される場合が多いですが、目自体に異常があることももちろん考えられます。
例えば、小型犬に意外に多い逆さまつ毛の症状がある場合は、まつ毛が眼球を直接刺激して傷を付けていることによる過剰な涙の排出が原因である場合があります。
逆さまつ毛はご自身で処置するのは難しいですし、危険です。心当たりがある場合は、まず獣医さんに相談してみましょう。
まとめ
涙焼けは、飼い主さんからみても決して気分が良いものではありませんよね?痛々しくさえ見えてしまうこともあります。でも、どうすればいいのかわからない。目の周りのことだしケアするのも怖い…とお悩みの方も多いと思います。
しかし、意外なことから治ることもありますので、まずは生活習慣の見直しから始めてみてください。うちの仔も、仔犬の頃それはそれは酷い涙焼けに悩みましたが、食生活の改善で随分よくなりました。すぐ消えることはありませんが、気長にケアすることが大切です。