犬とのお散歩が楽しくなる3つのコツ@リードワークの方法も解説
ワンちゃんとのお散歩は、ワンちゃんとの生活の醍醐味のひとつです。お散歩の回数や運動量は犬種や大きさ、年齢によってさまざまですが、毎日の習慣であるお散歩、せっかくなので目いっぱい楽しみたいですよね。
もうすでに毎日楽しくてしょうがない!という方も多いと思いますが、これからお散歩デビューの方、いまひとつ楽しみ方がわからない方もいると思います。そこで、ちょっとした工夫でいつものお散歩がもっと楽しくなってしまう3つのコツをご紹介します。
その1 毎日違うコースをお散歩する
ありきたりなことを言ってしまいますが、簡単なようで難しいのが『毎日違うコースをお散歩する』ということです。お散歩は毎日の習慣なので、どうしてもひとつのパターンになってしまいがち。
パターンを固定することも決して悪くはないのですが、毎日違うコースをお散歩することでワンちゃんにとっても飽きがまわらず、毎日新鮮な気分でお散歩することができるでしょう。
どうして毎日違うコースがいいの?
毎日違うコースをお散歩するということには、大きく分けて2つのメリットがあります。
- 『帰巣本能』の発達
- 認知症の予防や改善
色々なコースをお散歩することで『帰巣本能』(きそうほんのう)といって、『迷子になったときなどに自分の家を認識し、その場所に帰る能力』がはたらく範囲が広がります。
毎日同じ道しか歩いていないと、もしもの時に違う場所に迷い込んでしまった場合、家を探すのが困難になることも考えられます。
しっかりリードにつないでお散歩をしていても何があるかわかりません。『迷子になったときに自力で帰ってこられるように、家の周りの道という道は全部通った』という飼い主さんもいるほどです。
また、いろいろなコースを歩くことはワンちゃんの脳や体に程良い刺激となり、認知症の予防や治療にも効果があるとされています。認知症や老化予防のために新しいことをするといい、というのは人間もワンちゃんも同じようです。まさに一石二鳥ですね。
2~3パターンのコースを決めて、例えば『天気がいい日はたくさん歩けるAコース』『ワンちゃんの体調がすぐれない日は短めのBコース』『静かにお散歩したい日は人や車通りの少ないCコース』など、その日の状況によってコースを選ぶのもいいかもしれません。
もちろんその日の気分によって進む方向を変えてみたり、気ままにのんびり歩いて探検してみるのも良いでしょう。いつも同じコースを歩いているだけでは出会えないワンちゃん友達ができたり、何か楽しい発見ができることもあります。
何パターンかのコースの中でも『ゴールは毎日同じ公園にする』など、必ず立ち寄る場所を1つ決めておくことで、毎日おなじみのワンちゃん友達に会えてもっともっと楽しいはずです。
毎日違うお散歩コース、こんな点に注意!
『毎日違うコースをお散歩する』という方法にはメリットもたくさんありますが、いくつかの注意点があります。
統計では『いつも同じコースよりも、数日に一度でも違ったコースにすると喜ぶワンちゃんが多い』といわれていますが、お散歩コースを変えることによって『いつもと違う』という状況が楽しみでなく逆にストレスになってしまうワンちゃんもいます。
『いつもと同じ道が落ち着く』、『いつもと違う道だと逆に不安になる…』と感じるワンちゃんも中にはいるということです。色々なコースでのお散歩に慣れると、『いつも違うコース』ということが普通になり順応してくれる子がほとんどですが、捉え方にはやはり個体差があるようです。
不安そうにしたり、動かなくなってしまったり、ストレスかな?と思われる行動が見られる場合は様子を見ながらコースを考えてあげましょう。
また、交通状況や道の状況を全く把握していない道を歩くときは、車通りや地面の状況に十分注意し、ワンちゃんと一緒に安全にお散歩を楽しんでくださいね。
その2 リードワークを行う
ワンちゃんの飼い主さん、特に力の強い中型~大型のワンちゃんを飼っている方から、『お散歩に行くとあっちこっち引っ張られて大変』『走り回らされて毎日クタクタ…』という声をよく耳にします。
人間よりもはるかに運動能力の高いワンちゃんに主導権を握られたお散歩は当然、人間はついていくだけでもクタクタになってしまいます。
そんな時は是非、『リードワーク』を行い、引っ張らずに歩くことをワンちゃんに教えてあげてください。リードワークを行うことで飼い主さんとの主従関係も築くことができ、コミュニケーションが円滑になるといわれています。
円滑なコミュニケーションが取れるようになると、お散歩だけでなく普段の生活もきっと今以上に楽しくなるはずです!
『リードワーク』自体は、実は飼い主さん自身が行う動作の名称なのです。『お散歩のときに引っ張らないように教える』『ワンちゃんがリーダー(ここでは飼い主さん)に従う』という訓練にあたります。それでは、『リードワーク』とはどのように行うのでしょうか。
リードを引っ張ってしまうワンちゃんの気持ちを考えることから始めよう
まずはリードワークを始める前に、お散歩の時、リードを力いっぱい引っ張って前に進んで行ってしまうワンちゃんの気持ちを考えてみましょう。
- 飼い主さんとお散歩に行けることが嬉しくて、つい走ってしまう/li>
- 外に出たら楽しくてたまらず、つい興奮してしまう
- 怖いものを発見し(車の音、ほかの動物など)その場から離れたい一心で走ってしまう
- 引っ張ったつもりはないけれど、飼い主さんに引っ張られたから強く引っ張り返した
大まかに分けるとこんな気持ちの子が多いのではないかと思います。嬉しい、楽しいなどプラスな気持ちで引っ張ってしまう子も、怖い、不安などマイナスな気持ちで引っ張ってしまう子も、リードを引っ張って早く歩こうとすればするほど飼い主さんとの引っ張り合いになり、その悪循環でワンちゃんも飼い主さんもお散歩を楽しめなくなってしまいますよね。
プラスな気持ちが先走って興奮してしまう子には『落ち着くこと』を、マイナスな気持ちが大きく興奮状態になってしまう子には『安心感』を、それぞれ飼い主さんが教えてあげることが大切です。
では、どうしたら落ち着いた状態で、リードを引っ張らずにお散歩をすることができるのでしょうか?以下ではその方法について解説します。
リードワークを始めてみよう
早速、リードワークを始めてみましょう。使う道具はリードのみです。長さを調節できるロングリードがあるとなおスムーズにできますが、普通のリードでも十分です。
リードワークの訓練法といってもいくつかの方法がありますが、主流となっている基本的なリードワークをご紹介します。
1.ワンちゃんにリードを装着し、自由に歩かせる
いつもと同じようにリードを装着して歩かせることから始めます。
初めてリードワークをするときは、飼い主さんも感覚がつかめるよう、お家の中がよいでしょう。いきなり外でリードワークを始めると、ワンちゃんも興奮して集中できない場合があります。お家の中である程度できるようになったら、お散歩コースでチャレンジしてみましょう!
2.ワンちゃんが引っ張ろうとしたらリードを固定し、すぐに緩める
引っ張ろうとしたときにリードを固定するのは『注意を与える』という意味合いがあります。そして、すぐに緩めるということがたいへん重要です。
ワンちゃんは引っ張られれば引っ張られるほど引っ張り返したくなり、さらには苦しくて不快になります。そうなるといつもと同じ、綱引きのようなお散歩になってしまうことになりかねません。
引っ張ろうとしたら注意を与え、『引っ張る』という動作を未然に防いであげましょう。
3.引っ張るのをやめたら褒める
上記の行動を繰り返していると、ワンちゃんも学習し、引っ張るのを徐々にためらうようになります。
その『ためらい』こそがリードワークの効果といえるでしょう。そんなときは目いっぱい褒めてあげてください。おやつを少しあげるのも良いと思います。
リードワークをはじめとするしつけの覚えやすさには個体差があります。非常に根気がいりますが、『ためらい』が『してはいけないこと』という認識に変われば、もうリードを引っ張ることはないでしょう。
ワンちゃんが飼い主さんのペースに合わせて一緒に歩くことができるようになれば、いつものお散歩がもっともっと楽しい時間になること間違いなしです!
その3 苦手な環境にこそ積極的にチャレンジしてみる
『うちの子はほかのワンちゃんを見ると怖がるから…』『うちの子は人見知りだから…』と、ほかのワンちゃんや人をわざと避けたり、わざと時間をずらしてお散歩をしたりしていませんか?そんな方は是非、明日から積極的にほかのワンちゃんや人のいる時間帯にお散歩に行ってみてください!
ワンちゃんはもともと群れで生活をする動物のため、社会性は非常に高いはずなのです。しかしその子の性格や何らかの原因で犬嫌い・人見知りになってしまうことも少なくありません。
そんな時は、少しずつ時間をかけてゆっくり慣らしてあげることが大切です。怖がるからといってその環境を避けてしまうと、ワンちゃんの社会性がどんどん失われ、もっと犬嫌いになる、もっと人見知りになる…といった悪循環になってしまうこともあるのです。
公園にいるワンちゃん、お散歩でいつも会うワンちゃんとお友達になることができれば、お家のワンちゃんにとってもお散歩がもっと楽しくなるでしょう。無理強いはもちろんよくありませんが、『今日はワンちゃんの多い公園の前を通ってみる』『明日はワンちゃんの多い公園の中を素通りしてみる』など、徐々に苦手意識を克服させてあげましょう!
慣れないうちはキャリーバッグや抱っこでのお散歩もいいかもしれません。『飼い主さんと一緒なら大丈夫』と安心してもらえるように、優しく声をかけ、どっしり構えていることも忘れないであげてくださいね。
まとめ
筆者の飼っているチワワ2匹は、小さい頃はとんでもないお散歩嫌いでした。全く歩かず、ほかのワンちゃんが近くを通るたびに吠えまくる…正直、お散歩は楽しくありませんでした。
しかしお散歩が楽しくない原因と対策を考えることで上の3つにたどりつき、時間はかかりましたが今ではお散歩を存分に楽しんでいます。お散歩は毎日の大切な習慣のひとつですが、業務的にこなすのではなく、ワンちゃんを共有する時間を目いっぱい楽しめたらいいですよね!
読んでいただいた皆さまとワンちゃんのお散歩がもっともっと楽しくなりますように。お読みいただきありがとうございました。