犬のマイクロチップはアイポとファムのどちらにするべき?
今回はマイクロチップについてお話しします。
マイクロチップを入れているワンちゃんは、ぜひこれを機に、登録情報の確認を行ってみてください。うっかり以前の住所のままだったり、電話番号が変わっていたり…そんなこともあります。
またどこに登録されているか、しっかり読み取ることができるか、かかりつけの獣医さんなどですぐにわかるので確認してみましょう。
マイクロチップの基礎知識
みなさんの愛犬はマイクロチップをつけていますか?動物愛護管理法では、ワンコのパパママはマイクロチップの装着などを行うべきと定められています。
生後2週間以降から装着可能になり、首の後ろに1センチ弱のカプセルのため、体への負担はわずかです。
迷子になると、そのマイクロチップを専用のリーダーで読み取り、飼い主さんの情報を探します。リーダーは各保健所、動物病院に配備されているので、保護され次第情報を照合します。
ワンコと離れ離れになってしまったとき、必ず戻ってこれるように考えられたシステムです。
賛否両論ありますが、いろいろな地域の保護センターなどのブログやお知らせで「マイクロチップのおかげでお家に帰れました」という情報も上がっています。まだ入れていないワンコは、もしもの時に備えぜひ検討してあげてください。
うちの愛犬のマイクロチップ
私の愛犬はマイクロチップと迷子札の両方をつけています。引越しを検討しているとき、その準備として「迷子札とチップを変えなきゃいけないね」などと話をしていました。
マイクロチップを確認したところ「Fam(ファム)」という団体に登録されていることがわかりました。カードを元に情報を確認したところ「犬種と色」しか登録されていません。
どうやら、購入した時に説明を受けていたのに、私たちが失念していたようです。ペットショップが堂々と「登録してある」と説明したのは、私たち飼い主の情報ではなく、ただ番号が登録されているだけ、との意味でした。
同時に、「ファムのマイクロチップは保健所の読み取りリーダーが対応していない」という情報を目にしました。
びっくりして調べたところ、多くのワンコが「AIPO(アイポ)」という団体が管理するマイクロチップを装着しています。なぜなら、環境省や動物病院、保健所で配っているマイクロチップの案内は情報の登録先が「アイポ」になっているからです。
では「ファム」とはなんでしょうか?大手のペットショップが立ち上げた、独自の小さなマイクロチップの管理団体になります。
では、マイクロチップが読み取れないという情報は、本当でしょうか?早速、地域の保健所に確認してみました。
ある自治体に電話してみた
住んでいる地域の保健所に、電話をして相談をしてみました。すると、ファムとアイポの対応の違いをとてもわかりやすく教えてくれました。
●アイポ
リーダーでマイクロチップを読み取る
↓
飼い主さんの情報がわかる
↓
連絡をする
●ファム
リーダーでマイクロチップを読み取る
↓
飼い主さんの情報はわからないのでファムに問い合わせる
↓
飼い主さんの情報を教えてもらう、または連絡を入れてもらう
↓
連絡をする
一見、わかるならどっちでもいいじゃない?と思います。しかし、震災、災害の時は混乱し、一刻も早く保護したいと焦るものです。すぐにわかる方が安心ですよね。
ちなみにファムに、ワンコが迷子になったらどうしたら良いか聞いたところ「警察に届け出てください」とのことでした。
登録変更法について
結論として、私たちはファムを頼らないことにしました。捜索に時間がかかる、ホームページで迷子の子を掲載と謳っていても、掲載ページが準備中など、本当に信頼できるシステムとは言えない、と思ったからです。
ホームページには、現在迷子のワンコの登録数は0です、と書いてあります。全国150店舗を展開しているペットショップの子が、1頭も迷子になっていないなんて…震災や災害も続いているのに…少々疑問を感じてしまいます。
一方、「AIPO(アイポ)」は全国の獣医さん、保健所、警察でダイレクトに検索ができます。140万匹以上の犬が現在登録済みとのことです。
変更方法はとっても簡単で、現在のマイクロチップを取り外す必要はなく、ファムに登録された番号をアイポにも登録するだけです。費用は1000円かかります。
もし新しくワンちゃんを迎える方は、アイポにすることを強くお勧めします。マイクロチップを新たに取り付ける場合は、自治体によっては補助金が出ます。検討している方は、最寄りの保健所に相談してみてください。
アナログアイテムも活用しよう
マイクロチップでいろいろなことがあったので、今は迷子札も重要視しています。
災害があったとき、どこでどんなシチュエーションで人に助けていただけるのか想定ができないことと、はぐれたときは一刻を争うことを知りました。
混乱が深まるほど、見つけづらくなって行きます。電話やインターネットも使えない場合も、十分考えられます。そんなとき、首輪に迷子札がついていれば、犬を飼っていない人にもわかります。
実際、私がまだ犬を飼っていない幼いころに、泥だらけのワンコを保護しました。その子は迷子札をつけていて、すぐに連絡を取ることができたので、その日の夜にはお家に帰ることができました。
山道を通って、大きな山を二つ超えた遠い街のワンコで、とても驚いたことを覚えています。飼い主さんも想像以上に移動したところで見つかったので驚いていらっしゃいました。
迷子札は、ワンコに詳しくない人が見つけても、すぐに連絡が取れる可能性が出てきます。ペットグッズのお店やペットサロンなどで、簡単に作ってもらうことができます。ぜひ検討してみてくださいね。
マイクロチップのデメリット
いざ、マイクロチップを装着しようと思うと、やはり気になるのがデメリットです。
■マイクロチップデメリット
- 装着時に痛みがある
- MRIなどに影響が出ることが稀にある
- 入れても位置によって読み取らないことが稀にある
などであり、これまでに大きなトラブルは少ないです。
しかし普及が進まないのは「お金を出して、愛犬に痛い思いをさせて、異物を体内に埋め込む」ということに抵抗がある方が多いから、との意見もあります。
マイクロチップの手続きを進めていく中で、本当にうちの子は帰ってこれるのか?離れたら再会できるのか?とても不安になりました。
しかし、今できることは「マイクロチップをつける」ことと「迷子札をつける」ことしかありません。日頃から、脱走や事故に気をつけながら過ごし、災害に対してはできる限り備えていくしかないのだろうなと感じています。
まとめ
大切な愛犬とはぐれた時はマイクロチップと迷子札が現在では最も有効な手段です。すぐに再会できるように、ぜひ検討してみてください。
マイクロチップに関しては、補助金を出している団体もあります。保健所や獣医さんに相談してみましょう。