犬にトリック(芸)を教える方法@4つの芸のしつけ方を解説
「フセ」や「お手」など、ワンちゃんにしつける「芸」を「トリック」といいます。トリックは遊びの要素だけではなく、普段のしつけにも役立つので是非トライしていただきたいです。
今回は、トリック初心者の方向けに基本的なものをご紹介します。
芸を教えるための準備
練習のための準備をしましょう。
ごほうび
まず、ごほうびに使うオヤツを用意しましょう。トリックの練習をする間、何度も与えることになるので、おなかいっぱいになってしまわないよう、小さくカットしたものを多めに用意します。匂いが強いもののほうがワンコを惹きつけやすいですね。
環境を整える
ワンコが練習に集中できるよう静かな環境を整えます。テレビなどの余計な音は消します。関係のないオモチャも片付けましょう。
また、犬の集中力が途切れるほど長時間ダラダラと続けるのは良くありません。犬の集中力は15分程度といわれています。それ以上続ける場合には休憩を入れるようにしましょう。犬にとってストレスにならず、楽しんでできることが大切です。
トリックの練習の前に
トリックの練習に入る前に「アイコンタクト」の練習をしましょう。ワンコと飼い主さんが見つめ合うことですが、これができるとトリックのしつけがスムーズになります。どのトリックも、練習の初めにまずアイコンタクトをしましょう。
1.ごほうびをワンコの鼻先で持ちます。
2.ごほうびを飼い主さんのアゴ先につけます。
3.ワンコと目が合ったら、ワンコの名前を呼び、ごほうびを与えましょう。
毎日繰り返しているとワンコは「飼い主さんの目を見ることは良いこと」と覚えます。さらに、名前を呼んだときの反応が良くなります。こうなると、トリックをしつけやすくなります。
これからトリックを練習しようというワンちゃんにはもちろん、まだ自分の名前を覚えていないパピーにも是非オススメしたいです。
トリックをしつけてみよう!
いよいよトリックの実践です!今回は4つのトリックのしつけ方をご紹介しますね。
1.おすわり
トリックの基本「おすわり」です。
1.アイコンタクトができることを確認してから、ワンコの目の前でごほうびを持ちます。
2.ごほうびをワンコの頭の上か、後ろの方へ動かします。
3.ワンコはごほうびを見上げて床におしりをついてしまいます。すかさずごほうびを与えましょう。
4.慣れてきたら「おすわり」と声を掛けながら行います。
2.フセ
おすわりができるようになったら「フセ」の練習です。ドッグカフェでお茶するときなど、飼い主さんの横で待たせておくときにフセができると便利です。おすわりよりも日常の中で使いやすいです。
1.おすわりをさせます。ここでごほうびを与えておきましょう。
2.新しいごほうびを用意し、ワンコの目の前で持ちます。
3.ワンコの注意を惹きつけたまま、ごほうびを床まで下ろします。
4.フセの姿勢になったら、ごほうびを与えます。
5.慣れてきたら「フセ」と声を掛けながら行います。
3.待て
お散歩や食事のときに使います。
1.手の中にごほうびを用意しておきます。
2.ワンコにフセをさせます。ここでごほうびを与えます。
3.「待て」と声を掛けながら、ワンコのほうを向いたまま一歩後ろに下がります。これを一歩ずつ繰り返し、1m程後ろまで下がりましょう。ワンコが動きそうになったらすかさず「待て」と声を掛けます。動いてしまったら最初からやり直しましょう。
4.1m先まで待てたら、ワンコのほうにゆっくり戻ってごほうびを与えます。単純な動きですが、結構根気が必要です。
4.持ってきて
飼い主さんが投げたボールなどの対象物を、ワンコに持ってきてもらいましょう。
1.持ってこさせる対象物(ボールなど)に慣れさせます。ワンコの口元に対象物を触れさせながらごほうびを与えます。これで、ワンコの頭の中には「対象物=快感」という図式ができあがります。
2.慣れてきたら、対象物を口にくわえさせる練習です。対象物を床に置きます。ワンコのほうから対象物に近づき口にくわえたら、ごほうびを与えます。
3.今度は対象物を取ってこさせてみましょう。ワンコが対象物をくわえたら、飼い主さんのところまで持ってくるのを待ちます。戸惑っているようなら、手を叩いたり、「持ってきて!」などと声を掛けたりしてこちらへ来るよう促します。持ってこれたらごほうびを与えましょう。
どんどん飛距離を長くしていくと難易度が上がって、ワンコも飼い主さんも楽しめると思います。
ワンコはトリックが大好き!
ワンコは頭を使うトリックが実は大好きです。わたしたち人間も、頭を働かせるような頭脳ゲームで遊んだり、身体を動かすスポーツを楽しんだり、頭と身体の両方を使う遊びをしますよね。
公園をお散歩をしたり、ドッグランを走ったりする運動ももちろん好きですが、トリックのような知的な遊びもとても喜びます。
飼い主さんの指示に対して忠実に行動するという習慣も身につきますので、信頼関係が築けるという点でもトリックは大変有効です。
わたしは最初はしつけ教室に通ってトリックの練習をしたのですが、トリックの練習をするようになってからのほうがワンコが言うことを聞いてくれるようになりましたし、絆が深まったなと感じますよ。
まとめ
初心者向けのトリックを4つご紹介しました。トリックはワンコも飼い主も楽しめますし、普段のしつけにも役立ちます。愛犬との信頼関係もアップし、生活がより豊かなものになることと思います。
なかなか覚えてくれないこともあるかもしれませんが、焦らずに楽しんでやってみましょう!