犬が飼い主の口や手足を舐めるのは愛情表現って本当?ウソ?
犬はよく舐める動物です。
群れのリーダーに忠誠を見せるため、母親にご飯をねだるため、など舐める習性の理由は様々です。飼い主さんとの関係性や、ワンちゃんの性格などで舐めるかどうかは変わってきます。
舐めることはワンコのカーミングシグナル、言葉でもあります。ワンコたちが話しかけている様子をじっくり観察して、気持ちを少しでもわかってあげたいものですよね。
今回はワンちゃんの「舐める」という行動についてお話ししたいと思います。
舐める場所によって意味がある?
インターネットで「犬 舐める」と検索するとたくさんのサイトが出てきます。それだけ舐める犬が多い、それを不思議に思う飼い主さんがたくさんいるということです。
犬が人の口を舐めるには、理由があります。敬意や好意を示す挨拶をしている、ご飯を欲しがっているなどです。
母犬が口移しで噛み砕いて餌をあげるので、舐めてねだるという習性があります。手を舐める時は、遊んで欲しいなどの気持ちが現れています。
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犬は言葉が喋れないので、気持ちを行動で表現します。舐めて感情を表現することは多くあります。
泣くと顔を舐めてくる
感動したり悲しい時に涙を流すと、犬が顔を舐めてくることはよくあります。悲しいのがわかるから慰めに来るという見方もその通りです。
しかし、泣いた時に冷静に見ていると「涙がしょっぱくて不思議な味がするからつい舐めちゃう」ことが多々あります。
愛犬は、泣いていると顔中べろんべろんに舐め回して、鼻の中まで舐めて、涙が止まったらさっさと離れていきます。その後、涙を拭いたタオルやティッシュを嬉しそうに咥えて持っていき、舐めたり噛んだりを始めるので、泣いた余韻に浸ることなく追いかけっこです。
口や手、人のいろいろなところを舐めるのは、単純に「匂いがする」からかもしれません。
試しに、サラダを食べた後にキスしてみました。少し匂いを嗅いで社交辞令的に1、2回ぺろっとした後どこかに行ってしまいました。一方、焼肉を食べた日の後は、のしかかって舐めようとしてきます。
もしかしたら、自分も食べたいと要求しているのかもしれません、しかし、匂いに惹かれているというのもまた事実です。
味や匂いで舐めることもあるので、料理した手やハンドクリームなどは舐めさせないように注意が必要ですね。
寝る前に足を舐めながら寝る
みなさんの愛犬は「変な癖」がありますか?我が家の愛犬は寝付くまで足を舐める癖があります。
布団の中で寝ながらペロペロと舐めています。チラッと覗くと、耳をぺたんと後ろに倒して、脱力しています。本当のところはわからないのですが、表情や仕草を見ていると甘えているようです。
カーミングシグナルから考えると、舐める行為は、甘えたい、構って欲しいなどの意味になります。十分に甘えさせることも大切ですが、言いなりになって過保護になりすぎないようにしたいものです。
舐めることを止めるために、おやつをあげる、などの解決方法も提案されています。犬は「舐めるとおやつをくれる」と勘違いするためエスカレートする可能性があります。
しつこいので獣医さんに相談してみた
我が家の愛犬は、迎え入れた頃から、舐める癖がありました。3歳をすぎた頃、ひょんな事から獣医さんに、舐める癖のことを話しました。
犬は舐める動物で行為自体は異常ではないとのこと。しかし、気持ちが悪い、吐き気がするなどの時も飼い主を舐めることがあるので、嘔吐が伴うようなら注意が必要と言われました。
ストレスや不安から飼い主さんを舐めることもあるそうです。
- いつどんな時に舐めるのか
- 舐めた後どんな様子か
もし具合が悪い時や不安を訴えている時は、それを観察することで原因がわかる場合もあります。
我が家の場合は、ご飯を食べなくなって、下痢をしているタイミングで執拗に手足を舐め始めたら、嘔吐する確率が高くなります。舐めさせないようにしながら、常に毛布やブランケットで体を温めてあげると、落ち着きます。
とても大きな勘違い
愛犬が一生懸命舐めてくるのが、不思議でたまりませんでした。色々調べた結果、私たちはこれを「舐める=愛情表現」だと思い込んでしまいました。
そのため、舐めてきたら褒めていました。当然、犬は舐めたら褒められる、と覚えてしまいます。今更、やめて、と言っても、なんで?という反応を見せてきます。
犬と向き合う上で一番やってはいけないことの一つ、情報を鵜呑みにして、観察をしていなかったのです。
舐めることには、いろいろな感情表現が含まれています。留守番をさせて帰ってきた時は、寂しかったと抗議の訴えのようです。どこにも行かないでくれというお願いだったかもしれません。
今は耳や尻尾、力の入り具合、目を細めているか見開いているか、そのような様子からなぜ舐めているか察するようにしています。興奮していれば体に力が入り、目を見開いています。
たまに、他の人を舐めることがあります。大抵私の親しい人で、緩やかに尻尾を振りながらゆっくり舐めているので、遊んで欲しいようです。
犬と暮らしていく上で、観察することはとても大切です。舐めることを受け入れる、やめさせると決める前に、様子をよく見てこんな時はやめさせる、こんな時は受け入れる、と見つけていくほうが、ストレスが少なく暮らしていけます。
ちなみに、我が家の舐めることをやめさせる方法は「舐め返す」ことです。ベロベロ舐めるわけにもいかないので、口周りなどを手で舐めるように触ります。
体も舐めるように、毛を整えるように撫でると不思議とおさまります。どうやら犬は舐めるのは好きでも、舐められるのは嫌なようです。
まとめ
犬はとても面白い生き物です。舐めて感情を伝えてくるなんてとても賢くユニークです。一生懸命伝えてくれているので、私たちも理解を深めて汲み取っていけるようになるといいですよね。
稀に、同じように見えるサインでも、体調不良やストレスを訴えていることもあります。行為自体を良いこと、悪いことと決める前に、様子をよく観察して対応していきましょう。