犬の結石について@発見方法や治療方法を解説します
「結石」という言葉を耳になさったことはありますか?人も尿管結石などに悩まされている患者さんは多いですよね。この結石ですが、実は犬にもできるんです。
私自身は経験がありませんが、人間の場合、尿管結石が体内に発生すると、それはもう壮絶な痛みが襲うと経験者は語っています。では、ワンコの場合はどのような症状になるのでしょうか?また治療法はあるのでしょうか?
今回は、犬の結石についてお話します。
ワンコの結石とは?
腎臓・尿管・膀胱・尿道のどの部分でも、無機質の石の形をしたかたまりが形成されることがあります。これを「結石」と呼んでいます。腎臓にできれば「腎臓結石」、尿管にできれば「尿管結石」というように呼び名が変わります。
結石の多くは、膀胱で形成されて尿道を通り排出されるんですね。一般的によく聞く結石は「ストルバイト結石」という結石です。結石は年齢に関係なく発症しますが、犬種によってできやすい種類の結石があります。
結石ができる原因とは?
結石ができる原因はさまざまですが、細菌感染が原因であることが多いです。犬の排尿部分は地面に近いため、細菌が入りやすく感染しやすいのですね。
ですから、排尿部分を清潔に保っておくことは非常に大切なことなのです。もちろん細菌とは関係なく結石ができることもあります。
発生率について、犬は約50%の高い確率で発生し、猫にいたっては65~75%もの非常に高い確率で発生することがわかっています。
先程、「犬種によってできやすい結石がある」と述べましたが、一例をあげましょう。下記にあげた犬種以外ももちろん結石はできますが、ご自身の愛犬がどのような結石ができやすいのか知っておくことはとても役立ちます。
ストルバイト結石ができやすい犬種
ミニチュア・シュナウザー、ビションフリーゼ、コッカースパニエル、ミニチュアプードル
シュウ酸カルシウム結石ができやすい犬種
ミニチュアシュナウザー、ミニチュアプードル、ヨークシャーテリア、ラサアプソ、ビションフリーゼ、シーズー
尿塩酸結石ができやすい犬種
ダルメシアン、ブルドッグ
シスチン結石ができやすい犬種
ダックスフンド、ブルドッグ、バセットハウンド、ヨークシャーテリア、アイリッシュテリア、ロットワイラー、チャウチャウ、マスティフ
シリカ結石結石ができやすい犬種
ジャーマンシェパード、ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバー
予防方法は?
結石が形成されてしまうと、酷い場合は元気喪失や食欲不振が見られます。更に重症になると高窒素血症になり、命を落とすこともあります。結石が体内で形成されないように予防するには、まずは適切な水分を与えることです。
そして、その水分が体の中を正しく「流れる」ことが一番重要です。これは結石の予防だけではなく、健康な体作りの基本であるとも言えます。水分が少なくなりますと、尿の濃さが強くなるため結石ができやすくなってしまいます。
発見方法は?
一番わかりやすいのは、ペットシーツに排尿をした際に、キラキラと光る結晶が確認できることです。
また、ほとんどは痛みを伴いますので、おしっこが出ないのに排尿姿勢を取るようになったり、何度もおしっこをするようになったりします。時には血尿が出ることもあります。
治療方法は?
検査の結果、結石がみとめられた場合、まずは原因を究明します。細菌感染による結石形成である場合は、抗生物質の投与が不可欠です。
しかし、結石はその時だけ治せばいいのではなく、結石を形成しない体づくり、いわゆる根本的治療をしなければ繰り返してしまいます。
結石の治療は、食事の見直しや水分摂取の見直しを実行すれば、自然と溶けて体外に排出されますし、体質改善することが治療への第一歩となります。ですが、大きな結石がある場合は外科的手術を行い、摘出しなくてはなりません。
まとめ
犬の結石治療については、療養食を食べさせなくてはいけないとか、薬を飲み続けなくてはいけないという医師もいます。しかし、一番大切なことは、水分の循環です。
結石は治療するよりもできないようにすることが重要となります。そのためには、細菌感染しても解毒できる体作りや、石が溜まらないようにうまく水分循環できる体作りが理想的なのです。手術が必要な場合もありますが、たいていは内科的治療で根治が可能です。
食べ物を見直したり、日頃の生活状況を見直したりと、時間はかかるかもしれませんが気長に治療していきましょう。