犬の洋服の必要性と選ぶときのポイントを解説
わんちゃんにお洋服を着せることは、今やあたりまえの時代になってきました。大型犬、小型犬問わずデザインや種類も豊富で、飼い主さんとお揃いのお洋服や、有名デザイナーとのコラボ商品など様々なものが販売されています。
素敵なお洋服を着ているわんちゃんを見ると、やはり目にとまりますよね。しかし、本来犬に洋服は必要なのでしょうか?犬に洋服なんて飼い主のエゴなのでは?
そんな疑問から、どのような場面で犬に服を着せる必要があるのか、また犬の洋服を購入するにあたって、どのようなポイントに気を付けて選べばいいのかをお伝えします。
どんな時に犬服は必要なのでしょうか?
犬に服を着せる「必要性」という目線から、具体的事例をあげてみましょう。
出かける時
犬は家族であるという考え方をする人が増え、飲食店や施設でもペット同伴可能とする場所が増えて来ました。しかし、人は必ずしも犬が好きというわけではありません。苦手な方やアレルギーを持っている方もいます。
このようなペット同伴可能である公共施設に出向く際は、犬に服を着せるのが一般的なマナーなのです。これは、毛が飛び散るのを防ぐというのが目的です。もちろん犬に服を着せていても毛は飛び散ります。ですが、マナーを守っているという姿勢をアピールすることも重要だと考えます。犬に服を着せていない場合の入店をお断りするお店もあります。
寒さから身を守る
毛皮に覆われている犬ですが、毛が短く寒さに弱い犬もいます。流通の進化により、日本でも様々な犬種を飼育することが可能になりましたが、中には日本の気候に適さない身体を持っている犬もいます。
原産が暖かい国である場合は、いくら日本で産まれ育っていたとしても、遺伝子レベルで改良されたわけではありませんので、防寒には気を使ってあげなくてはなりません。また、同じチワワという犬種であっても、ロングコートとスムースコートというように、毛種が違う犬もおり、短毛のスムースコートチワワはやはり寒さにとても弱いです。
このような場合は、家にいる時でも洋服を着せて寒さをしのぐ工夫をしてやる必要があります。
暑さから身を守る
最近では、機能素材を使った犬服も増えました。いわゆる「クール素材」の洋服です。生地自体が冷却作用があるものや、水にぬらした状態で使用するものなど様々な素材があります。
真夏の日中の外出は、できるだけ控えた方が良いですが、どうしてもという場合はこのような洋服を利用すると良いでしょう。可愛いデザインのものから、かっこいいものまでたくさんの洋服が販売されています。
虫よけのため
機能素材の洋服で、虫よけ効果のある素材を使ったものもあります。化学薬品を使ったスプレーを使うより安心安全に防虫できます。
術後服
避妊や去勢、怪我や病気で手術をした場合、どうしても術後傷口を舐めてしまい、患部がなかなか治らなかったり逆に悪化してしまったりすることがあります。
一般的にはエリザベスカラーというものを首のまわりに装着し、傷口に犬の口が届かないようにしますが、このエリザベスカラーが犬にとって大変ストレスになることが多いです。また、自分で取ってしまったりすることもありますので、術後は傷口を保護するための術後服を着せることも一つの方法です。
犬に服を着せる「意味」
飼い主さんが愛犬とおしゃれして、一緒におでかけすることはとても楽しいことです。しかし犬にとっておしゃれは別に必要ありません。ですが、愛犬がおしゃれをすることにより飼い主さんの気持ちが高揚しますよね。
愛犬も嬉しそうな飼い主さんを見ると自分も嬉しくなります。また、出かける時に必ず洋服を着せる習慣を付けると、愛犬にとって洋服が嫌なもので無くなります。結果、「洋服を着る=飼い主が喜ぶ」「洋服を着る=出かけられる」という思考ができあがるのです。
このような思考を愛犬に持たせることはとても大切と言えます。それは、上で述べたように、時として犬に洋服を着せなくてはいけない場合があるからです。
犬の洋服を選ぶ4つのポイント
犬に洋服が必要な場合があることを述べました。では、犬の洋服を購入する上でどのようなことに注意すればいいのでしょうか?ここではいくつかのポイントをお伝えします。
1.サイズと機能性重視で選ぶ
犬服は、ペットショップやセレクトショップの他にも、インターネット通販で購入することが可能です。実際に手にとったり、試着できたりする状況であれば良いのですが、通販の場合はそういうわけにはいきません。
デザイン重視ではなく、サイズや機能性にまず目を向けるようにしましょう。犬服のサイズについて、計る個所は主に3か所です。首周り、胴回り(一番太い部分)、そして着丈です。着丈は、首周り箇所から尻尾の生え際までを計ります。
また、犬は性別によって排泄する部分の位置が違ってきますので、そこも重要です。市販の洋服の場合は、サイズ展開がいくつかあり、近いサイズのものを購入するしかないのですが、犬にも個体差があります。
同じ体重でも胴が長い仔や、足が短い仔と様々です。細かく要望を聞いてもらえるハンドメイド品を利用するのも良いでしょう。
市販品を利用する場合は、着せた時に窮屈そうにしていないか、歩いているうちに脱げてしまわないか、などよく観察しましょう。ハンドメイド品を購入する場合は、洋服を作っている作家さんに採寸してもらうのが本当はベストなのですが、出来ない場合はサイズについて細かく打ち合わせしましょう。
2.あまり飾りがついてないものを選ぶ
これはずばり誤飲を防ぐためです。綺麗な装飾がたくさんついた洋服は確かに美しく、着せて写真を撮るのには向いています。しかし、これらは普段着には不向きです。特に多頭飼いの場合は自分の服ではなく、他の仔の服についている飾りを誤飲してしまうケースがあります。
場合によっては開腹手術で摘出しなくてはならず、大変危険です。また、飾りが多いということはその分洋服の重量が増えますので犬にも負担がかかってしまいます。デザイン的に気に入っている場合は、装飾が取り外し可能に作り替えるなど工夫します。
3.首周りや袖周りがシンプルなものを選ぶ
レースやストーンで飾られた豪華な洋服は、見ているだけですととても魅力的です。しかし、犬にとっては鬱陶しい限りです。特に首周りはできるだけシンプルなものを選んであげましょう。
首周りや腕回りは最もよく動かす場所ですので、できれば伸縮素材で作られたものが良いです。
4.つなぎタイプには注意する
犬服で、オールインワンタイプ、いわゆるツナギタイプの洋服もたくさんあります。着せるととても可愛らしいのですが、小型犬の場合は膝の関節が弱い仔が多い為、足の動きを制限してしまうつなぎタイプはあまりお勧めしません。
もし選ぶとしても、ズボン部分は伸縮素材で作られたもの、丈が短いものをお勧めします。
まとめ
今回は、犬服の必要性や購入の際のポイントをお伝えしました。犬服の中には有名ブランドや、素材にこだわっている商品ですと3万円ほどするものもあります。しかし、高いから良いものであるというわけではありません。
安くてもとても良い商品もありますし、デザインも優れているものもたくさんあります。犬は自分で洋服を選ぶことはできません。あなたが、ご愛犬のために悩み考え、購入した洋服はきっと愛犬のために役立ってくれることでしょう。
ご愛犬との大切な限られた時間を楽しむための目的として洋服を着せる。それがあなたと愛犬にとって本当の「おしゃれ」です。