悪化していた家族の関係が犬を飼いはじめたことで良好になった
ある日、突然我が家にやってきた小さなチワワの男の子、それが今家で飼っているポラリスでした。
買い物に出かけた妹と母がが帰ってきた時に「犬買ってきたよ!」と言われた時は一瞬耳を疑いましたが、紛れもなくリビングには小さな仔犬が不安そうな様子で所在無くたたずんでいたのです。
妹の反抗期を解消するためにと思ったのが犬を飼ったきっかけ
私の妹は大の動物好きで、幼い頃から「犬を飼いたい」としきりに言っていたのですが、中学生になりました。
その中学生になった妹が反抗期をこじらせ、学校で友人相手に揉め事を起こし両親の頭を悩ませていた頃、「大好きな犬を飼えば何か変わるかもしれない」と苦肉の策で、両親が仔犬を連れて帰ってきたのです。
いざ名前をつけるとなった時、私も案を出しましたが、それが「ポラリス」でした。
ポラリスとは「北極星」の事。我が家にやってきたのが7月6日で、丁度七夕の時期だったので、星にちなんだ名前はどうか?と提案。語感が良かったのか、その案が採用され、晴れてチワワの少年は「ポラリス」と名付けられたのです。
ただ、このその時に私は家族に言いませんでした。実はもっと深い願いを「ポラリス」という名前、そして仔犬自身に託していた事を。
北極星(ポラリス)なら家族を救ってくれると信じていた
北極星は昔から旅人を救う星と言われています。極点に位置しているため、地球の自転の影響をほとんど受けず、常に北極を示してくれるからです。道に迷った旅人は北極星が北を示してくれるのを頼りに、夜道を進めるのだそうです。
私は、妹が荒れて、両親の心労が著しく、我が家の空気が重く暗くなってしまっていた当時、新しくやってきた仔犬が我が家の北極星になってくれたら良いのに、という願いを込めていました。
そのような想いは当事者たちには明かせなかったですが、ポラリスという名前が採用されてからは、より一層「うちの家族をよろしくね」という想いで接するようになりました。
すぐの家族全員の人気ものになった愛犬
ポラリスは瞬く間に私たち家族のアイドルとなりました。人懐こく穏やかな性格で、吠えたり噛み付いたりする事はまず無く、愛くるしい表情と行動のひとつひとつが魅力的なのです。
私たちがポラリスを見る時は、まるで赤ちゃんを見ているように優しい笑顔で見ていました。そして、ポラリスを見る時に浮かべる笑顔が、次第に家族同士にも向けられるようになっていったのです。
妹の姿を見れば文句しか出てこなかった母が、妹とポラリスの事を楽しそうに話すようになりました。
そして、母に小言を言われれば凄まじい目つきで睨み返し部屋へ引っ込んでしまっていた妹が、自ら率先してポラリスの世話をしながら母と会話するようになったのです。
妹の学校での揉め事に参ってしまって、家にあまりいたくなかったのか、父は仕事後は外で飲んで帰ってくる日が増えていました。そんな、父も早く帰宅するようになったのです。
私は、そんな家族の様子を見てとても嬉しく思いました。ポラリスと名付けたチワワの男の子は、本当に我が家の北極星となり、路頭に迷っていた私たち家族を導いてくれたのです。
そんなポラリスも、今は8歳になりました。おじさんになった今でも相変わらず我が家のアイドルに君臨し続けて、私たちのたくさんの笑顔を作り出してくれます。
これからもアイドルとして、そして大切な北極星として、輝き続けてほしいと切に願っています。